2010年4月12日月曜日

随分と

暖かくなってきました.

春です.


東 浩紀 / クォンタム・ファミリーズ

新潮社

2,100 yen

372 pages







友人からお借りしまして,読み終えました.
東氏は「現代思想好きのオタク」を自認されているそうです.

タイトル通り,家族を題材としたお話し.
nuclear family よりも更に細分化した quantum family.

舞台は近未来.量子計算機が発明され,一変した世界.
並行世界との繋がりを持った此方の世界.

並行世界に居るかも知れない自分.
「そう成れたかも知れない自分」と「そう成れたかも知れない家族」

家族の再構成が結論なのかも知れません.
家族を構成するのは個人なので,個人の経歴が家族の要素.

社会情勢よりも,個人に直接影響を与えるのは身近な関係性.
家族が最も近い存在.可能性よりも実際の家族.

どれ程,個人が「恥の多い生涯を送ってきました」と思い,
可能性の世界を求めたとしても,与えられない.

ソレを得る事が出来るかも知れない世界であがく家族.
再構成できるかも知れない.出来ないかも知れない.

可能性など無視して,やり直しの出来ない人生を送る.
やり直しの出来ない関係の中で生きる事が「人生」

かも知れません.


最適だと思った行動の積み重ねが現状ですから,

どうしようも無くても,続いていくのですから,

愚痴を吐きながら続けていこうと思っています.