2010年11月2日火曜日

死ぬほど

冷静.な訳も無く.





桜庭 一樹 / 私の男


1,550 yen

文藝春秋

381 pages






何故,父娘は愛し合わなければならなかったのか.
何故,人を殺めてまで求め合わなければならなかったのか.

互いが求め合う事象は何か.愛か.肉欲か.庇護か.守護か.
現在から過去へと,全六章を通して,父娘を越えた愛と葛藤を探る.

以下は内容暴露と気分を害する恐れが有ります.ご了解頂いてお読み下さい.

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上記があらすじなのですが,読みたいとお思い頂けましたでしょうか.
そう思って頂けたら幸いです.是非書店へ.

本当に宜しいでしょうか.以下は本当に内容暴露で気分を害する恐れが有ります.

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九歳で家族を失った少女・花は遠縁の海上保安部に勤める二十五歳の男・淳悟.
実は花は荒れていた若き頃の淳悟の実の娘だった.

二人は親子として生活をするが,男女として愛し合い,依存し合う.
その関係を壊そうとする外部の人間を殺してまで二人は愛し合う.

北海道から東京まで二人は逃げ,そこでも外部の人間を殺す.
二人はこれでは破滅すると思い,花は結婚をし,淳悟は姿を消す.

テーマは血は水よりも濃い.だと思います.
時系列を遡る形式ですので,原因から結果ではなく,結果から原因となっています.

二人が共依存になった原因が全く分からない.二人が愛し合う原因が分からない.
凄い考えた.無い頭で考えた.

花は庇護者として淳悟を求める代償として,愛を母性を肉体を与えた.
求め続け,与え続ける事で淳悟に依存していったのかも知れません.

淳悟は父を亡くし,母に厳しく育てられた為に与えられなかった母性を求める為に,
花を母性として求めたのでしょう.また,庇護する事で愛する対象を得たのか.

そう推測はできるのです.しかし,そう推測した自分が全く持って面白く無い.
もう本当に合点がいかない.推測はするさ.そりゃ.分からないもん.

特に花.両親が死ぬ際に育ての父に愛されていると実感したにも関わらず,
出会った直後に淳悟を愛するお主は全くもって分からん.
つり橋効果か.後,何で殺した?動機が弱い.中学生だったから頭も弱いのか?

あと,淳悟.お前は暗い過去ってのは分かる.愛して欲しかったのよね.
でも,娘を代償とした葛藤が微妙だぞ.疲れたとか言ったらそれは霧散する.
母親に対する心的外傷見せろ.そこが一番お前の薄暗い部分だろ.

殺人を愛の証明として描くには情景が弱い.
理解はできるが,納得できる程の情景描写では無い.
無理矢理考えたけど,あれか.二人の閉じた関係には他者は必要ないって事か.
外的エネルギーが入らないからこそ,お前等の関係は破綻したんじゃないか?

お互い以外に信頼できる関係を築けなかったからこそ,淳悟は疲れたんじゃないか?
血が絆だと考えるなら,血の繋がらない父母は絆を持っていないことになるぞ.
エディプスコンプレックスか?書を捨てよ,町へ出ようか?コノヤロ.
ペドフィリアで芥川だから,近親相姦で直木か?バカヤロ.
もっとだ.もっと薄暗い部分魅せてくれ.葛藤してくれ.二人揃って首括るくらいの.


   

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